ミラノは、ローマやシチリアの人から「La citta gurigia」(ラ・チッタ・グリージャ=灰色の街)などと
からかわれるように言われることがあります。
確かに、ミラノの冬はイタリアの中・南部地方よりも平均気温が低く、
何より曇りの日が多いのです。
なかなか太陽が顔を出さないので、
私も冬になるとローマやシチリアへ逃げ出したくなるときがあります。
さて、そんなミラノの暮らしの中で、3月は一番劇的な季節。
曇りの日が多い中、『確かに季節が変わっている』という確信が持てる日がめぐってきます。
3月のある日、太陽の光が劇的に変化するように感じるのです。
ミラネーゼは、少しでも太陽が顔を出すととたんに外に出かけますし、
まだ肌寒くてもバールのテラス席は大人気。
そして4月、ミラノは待ちに待ったパスクワ=復活祭を迎え、本格的な春がやってきます。
長い冬を乗り越えて1年で一番輝く季節を目前に控えた3月のミラノでは、
人々の気分も何となく上向きになっているように感じています。